表面分析法の選び方 ― 深さの順位と、横方向の順位は一致しない【2026年版】
XPS・AES・ToF-SIMS・SEM-EDS を「表面分析」と一括りにすると、選択を間違える。浅い順に並べると ToF-SIMS(1 nm 以下)→ AES(5〜75 Å)→ XPS(3〜10 nm)→ SEM-EDS(1〜5 µm)だが、 横方向の細かい順に並べると AES(8 nm)→ ToF-SIMS(50 nm)→ EDS(1 µm)→ XPS(10 µm)になる。 順位が入れ替わる ―― 表面分析の代表格である XPS が、横方向では最も広く平均している。しかも ToF-SIMS の「50 nm」は高空間分解能モードの値で、そのとき質量分解能を捨てている。カタログの 最高値は同時には出ない。そして性能表では AES が勝つのに、実務で XPS が選ばれる ―― 決めているのは スペックではなく、試料が帯電するか、電子線で壊れるかである。本記事はメーカー公式値と ISO 規格だけで、 4手法の選択基準を組み立てる。